Archive of Our Own ^beta

皆様から寄せられた機能に関する要望でよく頂くのは、Archive of Our Own – AO3（みんなのアーカイブ）において、他のユーザーとのやり取りをブロックしたり、指定したユーザーのコンテンツを非表示にする機能です。これは私たちもだいぶ前から計画していたもので、ここ数ヶ月の間、積極的にその開発に取り組んできました。つきましては、その進捗について、ここで簡単にお知らせしたいと思います。

ブロックとミュート

私たちは、ユーザーと直接やりとりをしフィードバックや機能へのリクエストや提案を掘り下げて検討するユーザーサポート委員会や迷惑・不正行為対策委員会と、これまで緊密に協力してきました。これは、AO3での体験をより安全で楽しいものにしたいという多くのユーザーの希望を実現すると同時に、その途中で新たな問題を引き起こさないようにする方法を模索する上で助けになりました。

議論を重ねた結果、この新しい機能を二つの独立した機能として検討することを決定しました。

• ブロック: 特定ユーザーが自分とやりとりができないようにする
• ミュート: 自分のAO3アクセスにおいて、特定ユーザーによるコンテンツを非表示にする

このようにして、AO3におけるコンテンツ作成・交流を煩雑にすることなく、ユーザーの皆様にAO3における体験を調整したり、嫌がらせから身を守るためのオプションを提供できるようになりました。例えば、お気に入りでないカップリングについて多数のファン作品を投稿するユーザーをミュートしたいと思うと同時に、そのユーザーが自分の作品にコメントすることは構わないと思うこともあるでしょう。この二つの概念を分割することで、焦点を絞ったオプションを最初に公開し、残りの機能については舞台裏で引き続き作業することも可能になります。

しかし、これらの機能がどのような形で実現され、既存のAO3の機能とどのように連携するかについての最終的なデザイン計画を形にする前に、考慮すべきことはたくさんあります。変更の範囲が広いため、この二つの機能それぞれに独自の課題や落とし穴があり、先へ進む前に、私たちはそれらの課題や落とし穴を十分に検討しなければなりません。

議論で検討される必要があるのは、例えば「検索結果のリストにミュートされたコンテンツが含まれた場合、上部に表示される数字を調整する必要があるかどうか？それはフィルタ内の数字にどう影響するのか？」のような細かい点から「複数の管理人がいる企画で、管理人がそれぞれ異なるブロックとミュートをしているユーザーの一覧がある場合どうするか」などの全体的な考慮まで様々です。

実際にコードを書き始めたら、計画段階では予想しなかった技術的な問題が発生するかもしれませんし、それを解決するために計画を大幅に変更しなければならない可能性もあります。そのため、これらの機能の公式発表は、完成に非常に近付いたという確信を私たちが持てた時になってからとなります。皆様にはお待ち頂くことになってしまいますが、ご理解の程、何卒宜しくお願い申し上げます。

資金と時間

皆様の寛大な寄付のおかげで、OTW（変形的作品のためのNPO ）は現在、コーダーの方々を雇う資金が十分にあります。ですが、企画やコレクションなどの複雑な機能や実際のサイトの利用のされ方、そこで突き当たる問題点などについては私たちの方が熟知しているため、作業を効率的に実行するためにはこちらからコーダーの方々に具体的に何をして頂くか詳細に伝える必要があります。

上述した点は往々にして、このような規模のプロジェクトにおける最も複雑な部分です。最終結果に支障が出て、解決される問題よりも多くの問題が生じるリスクを考えると、簡単に外部に委託するわけにもいきません。

それに加え、この議論に参加して頂く必要があるのは、長年に渡ってAO3の内部作業に携わり、その内部構造についてもユーザーからのフィードバックに関しても豊富な知識を有する方々ですが、彼らは同時に日々AO3を運営し、バグを修正し、バックエンドを最新状態に保ち、ユーザーサポート委員会や迷惑・不正行為対策委員会を滞りなく運営するために必要な方々でもあります。

これらはすべてボランティアによって行われ、サイトが滞りなく機能し続けるためには時には他の作業が優先されることもあります。その結果、大規模プロジェクト（中規模のものでさえも）は例外なく、最初のアイデアから新機能の実装まで長い時間がかかるのです。

お待ち頂く間に…

公式ブロックとミュート機能の実装にはもうしばらく時間がかかると予想されますが、AO3の非公式ブラウザツールFAQに望まないコンテンツをフィルターするサードパーティスクリプトがいくつか掲載されていますのでご参照ください。また、ユーザーのAO3体験を向上させるべく、他のいくつかのアップデートに取り組んでいます。

私たちは今までに、ご自身の作品をコメント不可にする機能と特定のコメントスレッドを凍結する機能を追加してきました。更に、ユーザーが他ユーザーによる合作者表示を管理するのと同じ方法で、プレゼントまたはコレクションの招待からオプトアウトできる機能も開発中です。（主要アップデートについてはこれまで通り、公開可能な情報が整い次第、特別ニュースでより詳しくご紹介いたします。）

また、今までもAO3スキンシステムを使うことで特定の作品を非表示にできていますが、最近のアップデートによって特定の作者の全作品を非表示することも可能になりました。実行するには、以下のCSSを利用してサイトスキンを作成 してください：

• .work-000 { display: none !important; } 特定の作品を非表示にする。000の部分を非表示にしたい作品IDに変えてご利用ください。 作品IDは作品のURLから見つけられます。IDは/works/のすぐ後の数字にあたります。 例えば作品URLがhttps://ao3.org/works/000/chapters/123の場合、IDは000になります。
• .user-000 { display: none !important; } 特定のユーザーの全作品を非表示にする。 000 の部分を非表示にしたい作者のユーザーIDに変えてご利用ください。ユーザーIDはプロフィールの "My user ID is" (マイユーザーID) 欄に記載されています。ユーザー名が変更されても、ユーザーIDが変更されることはありません。

複数の作品を非表示にしたい場合はコンマでセレクタを区切ってください： .work-000, .work-149319, .user-000 { display: none !important; }

現時点でこの方法は作品リストと作品検索結果にのみ適用されます。ブックマークは現在非対応となっていますが、今後ブックマークにも適用されるよう取り組んでいます。作業が完了次第、より詳しいチュートリアルでご説明いたします。 (もしも以前に.blurb#work_000などのセレクタで作品を非表示にしていた場合、更新後もセレクタ自体は引き続き機能しますが、ブックマークリストと検索結果には自動適用されないのでご注意ください。)

この機能について予想以上の時間がかかってしまい誠に申し訳ございません。今回のお知らせで、その理由を少しでもご理解頂けたら幸いです。

詳細が決定するまでもうしばらくお待ち頂ければと思います。そしていつも応援してくださる皆様、特に昨年の間優しい言葉を寄せてくださった皆様、本当にありがとうございます。ツイートとコメントのすべてに返信することはできませんが、心より感謝を申し上げます。