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Rating:
Archive Warning:
Category:
Fandom:
Relationship:
Language:
日本語
Stats:
Published:
2025-10-03
Words:
2,845
Chapters:
1/1
Kudos:
7
Hits:
292

Super Trouper

Summary:

Youth像个小粉丝一样去看Drunk的广告

YouthがDrunkの広告を見に行ってたら可愛いなと思って書きました。

Work Text:

「そういえば明日から祁醉の広告の掲出だな」
トレーニングルームにやってきた賀小旭がスケジュールアプリを確認し、祁醉に声をかける。
「公式のアカウントで投稿しておいたから忘れずにリポストしておくんだぞ」
「はいはい、わかってるよ」
本人の祁醉が適当な返事をする一方、休憩中だった于煬は微博を開き、さっそくその投稿をチェックした。
今回は祁醉をイメージキャラクターに起用したいと申し出た香水ブランドの広告で、普段のユニフォームよりも少しだけ胸元の開いたシャツを身に纏った祁醉の写真に、しばし于煬は見とれていた。
かっこいい、素敵、のような言葉を添えた方がよいか悩んだあと照れる気持ちが勝った于煬はコメントを付けずに絵文字だけ添えてHOG公式の投稿をリポストした。
【[打call] >HOG公式】
すぐに何件もファンたちから返信が届く。
【祁神本人よりリポストが早い煬神www】
【@HOGDrunk 夫のために健気に宣伝を手伝ってくれる煬神に気付いて】
【どうせ隣で見てるのにwww】
【煬神はこの広告見に行くの?】
顔を赤らめながらファンたちのコメントを眺めていた于煬だったが、その中の一つに目を留めて考えた。
――見に行きたい。
賀小旭が言うにはそのブランドの商品を取り扱っているショップはもちろん、市内の数か所に巨大な広告が出ているようだ。Aショッピングモールの広場、Bビルのデジタルサイネージ、それから……と于煬は場所を確認する。
もちろんこれまでに祁醉は数多くの広告モデルをやってきたが、二人が付き合い始めてからは祁醉のオーナー業が忙しくなってきたこともあり、ここまで大きな広告の仕事はなかった。
ただの一介の祁醉ファンだった頃の于煬はDrunkの広告を見てはうっとりと眺めたものだったが、今では『彼氏が出ている』広告なのだ。
次の休日の予定、そしてできるだけ一目につかなそうな時間と場所……と于煬は密かに計画を立て始めた。

 

次の休暇は、ちょうど祁醉も予定が入りデートができなかったため、于煬の計画決行の日となった。
前日の晩に宿舎の于煬の部屋で少しだけいちゃいちゃしながら祁醉に明日の予定を聞かれたときに、少し買い物に行こうと思っていると于煬は誤魔化した。別に祁醉に知られて困ることは何もなく、うまく写真がとれたら微博に載せようと思っているため遅かれ早かれ知られることになるのだが、何となく于煬はこっそりと見に行きたい気持ちになったのだった。
(ただのファンだった頃の気持ちを久しぶりに味わいたいのかも)
今でも于煬はDrunkのファンのようなものだし、自分で自分の気持ちを分析して少し馬鹿馬鹿しい気持ちにもなったが、それが一番納得できるような気がした。火焔杯で急接近するまでは手の届かない存在だと思っていたし、あの時のすれ違いは、この先祁醉と再び親しくなることはできないかもしれないと考えたものだ。
それでも暗黒時代だった少年の頃の于煬を支えてくれたのはDrunkに対する憧れで、祁醉との間に何があってもその感情が消えることはないだろうと思っていた。
だから、男神・Drunkに対する憧れの気持ちは、恋人としての愛情と同じくらい于煬にとって大事なものなのだった。
きっと広告の近くにはDrunkのファンが多くいるだろうとかんがえ、目立たないようトレードマークの金髪を隠すようにニット帽の中に押し込み、サングラスをかけ、服装は地味な上下黒のスウェットにした。帽子は実はDrunkのグッズなのだが、きっとそれくらいは許されるだろう。Drunkの広告を見に行くなら、その方がただのファンに見えるかもしれない。
近くまでタクシーに乗りつけ、広告と自撮りをするのにちょうどいい距離のデッキに向かった。
「隊長……」
広告が目に入り、芸能人のような祁醉の容姿を改めて目の当たりにし、誰にも聞こえない声で于煬は呟いた。
「ねえ、あれDrunkじゃない?」
「ほんとだ!最近あんまり顔見られる機会少ないから嬉しい~!」
「やっぱり祁神ってかっこいいよね」
無邪気な通行人の女の子たちの声に、于煬は胸がくすぐったくなった。ここでしばらく祁醉の顔を眺めながら通行人の会話に耳を傾けていたい気もしたが、まずはミッションをクリアしなければ、とスマートフォンのカメラを取り出した。上手く画面に入る位置を探していたため後ろから人が近づいてきたことに気付かず、于煬はうっかりかけていたサングラスを落としてしまった。
「大丈夫ですか?」
親切な女性がサングラスを拾ってあげようとしゃがみ、そこで同じようにしゃがんだ于煬の顔を見て驚きの表情を見せた。
「煬……神……!?」
于煬の方も驚き、すぐさま人差し指を立てて静かにしてもらえるようジェスチャーで伝える。幸い大声ではしゃぐようなファンではなかったようで、こくこくと緊張した顔で頷き、小声で尋ねてきた。
「……もしかして、祁神を撮ろうとしてました……?」
于煬が頷いたものかと考えていると、さらに女性はこう申し出た。
「あの、よかったら私撮ってあげます!」
少し悩んだ于煬だったが、悪い人ではないと考えて素直に好意を受け取ることにした。
こうして少しのトラブルはあったものの、無事に于煬の計画は遂行されたのだった。

 

【@HOGDrunk 広告、見つけたよ [添付画像]】
基地に戻って夕食を食べたあと、于煬は自室でPCを点けつつも微博の投稿画面とにらめっこ状態を続けていた。チームのアカウントでこんな投稿をするのはやりすぎだろう?しかしチームメイトの広告を見たというだけの内容に過ぎないので考えすぎかもしれない……などとあれこれ考えていたせいで、背後から人影が近づいてきたことに気付かなかった。
「小哥哥、俺に内緒で何をしてたかと思えば」
「隊長……!あっ、」
びっくりした勢いで、于煬は手元の投稿ボタンを押してしまった。すぐに大量の通知が届くが、一端無視して祁醉の方を向く。
「あの、おかえりなさい」
「ただいま。『本物』が帰ってきたよ」
「……うん」
そう言って祁醉は笑顔を見せながら自分の口元を指さした。おかえりのキスをしてほしい、の意だ。于煬は照れながらも椅子から腰を浮かせて軽く触れるようなキスを送る。
「あ、……ん……」
祁醉に抱き寄せられて啄むようなキスに身を任せ、唇が離れるとおずおずと先ほどの写真を祁醉にも見せた。
「久しぶりに隊長のおっきな広告だから、直接見に行きたくなって」
「いい写真だね。キャプションは“彼氏と”じゃなくてよかった?」
「隊、長……っ」
そのあと目ざとく自撮りではない角度なことに気付いた祁醉に誰に撮ってもらったのか尋ねられ、于煬はちょっとしたトラブルのことまで話すことになった。
「今回はいい人だったみたいだから良かったけど、次からは一緒に行こう」
「うん。でも久しぶりに隊長が……違う世界の人だった頃のことを思い出して不思議な気持ちになれた」
そんなことを言いながら于煬がはにかむと、すぐに祁醉に抱き締められた。
「……ありがとう」
「?」
唐突な祁醉の言葉に首を傾げていると、額に柔らかく口付けが落ちてくる。
「俺の世界に来てくれて嬉しいってこと」
于煬は祁醉の背中を抱き締め返し、胸の内で呟いた。もう二人が離れることはないだろうが、例え祁醉がどこにいても絶対自分はそこに行く、と。
しばらくすると、祁醉がふと思いついたようにこんなことを言い出した。
「そうしたら次はそろそろカップルデザインの周辺機器のイメージモデルを二人でやってもいい頃かな」
「か、カップルデザイン……?」
「オファーが来るのを待ってるんだけど、マネージャーがどこかで阻止してたりして?」
選手と違ってこの日も一日仕事をしていた賀小旭は、スポンサーからの企画書に目を通しながら、オフィスで大きなくしゃみをしていたのだった。